
労働問題で揉める要素を突き詰めていくと『カネ』の問題となります。
その『カネ』の問題の中でも今後会社のリスクが最も大きくなるのは未払い残業代です。
現在は社員が未払い残業代などをさかのぼって会社に請求できる期間(時効)は2年まででした。
2020年4月から残業代請求権の消滅時効の期間が2年から3年に延長されることが決定しました。
これがどのようなインパクトを起こすかというと、当然ながら未払い残業代請求が
増えることが予想されます。
弁護士を代理人に立てて未払い残業代請求をしてくる可能性が高くなります。
なぜなら3年となると金額が大きくなり、ビジネスとしては良いからです。
未払い残業代請求があった場合、0円解決というのはありえません。
社員が提示してくる残業代の金額は水増しされていることが多く、
それに対して会社が反論して減額するということになります。
私の今までの経験では、能力不足、素行が悪いといった問題社員が
退職後に請求してくることが多かったです。
こうした問題社員は自分の能力で『カネ』を稼ぐという意識は薄く
楽して稼ぎたいという思考があります。
だからこうした権利関係について詳しいことが多いです。
私は仕事にもその能力を活かせばいいのにといつも思います。
未払い残業代問題でリスクが高いのは定額残業代です。
多くの会社が何となく設定しているかと思います。
例えば以下のような質問をされたとき、全て「はい」と答えられますか?
定額残業代は何時間分と明記していますか?
賃金規程に明記していますか?
雇用契約書に明記していますか?
定額残業代に設定した残業時間を超えた分は払っていますか?
これは一例ですが、こういうことができていないと定額残業代は
無効とされてしまう可能性が高くなり、支払額が膨大に膨れ上がるのです。
そもそも論になりますが、「なんとなく残業」というのは無くした方が良いです。
定時が18時、いつも慢性的に20時に帰っているとします。
これが習慣になり、仕事がなくても20時で帰るという感じになっています。
20時に終わるように仕事を調整しているのです。
したがってこれからは仕事の進め方にもメスを入れていくことが大事です。
必要な残業は良いですが、無駄な残業はさせないことです。